三陸では「ハモ」と呼ばれる「マアナゴ」。豊富な漁場である三陸でのアナゴの釣り方を紹介します。
目次
広田湾の砂地で捕れる大アナゴ
今回向かったのは、陸前高田市の広田湾の釣り船です。
港から船を出して、5分もかからない場所が釣り場になります。養殖棚に船に錨を掛けて、船を固定します。
準備をする間もなく釣り場につくのも、アナゴ釣りの手軽さの一つです。
暗闇では、手元を照らすライトが必須!
出航は日没前。
夏のこの時期は、まだまだ日も出ていて明るいです。しかし海の上では、日が落ちると暗闇に包まれます。
仕掛けの準備や、船上での手元を照らすために「ヘッドライト」が必須です。
手で持つライトも悪くありませんが、竿を持ったり仕掛けを準備したりと手が離せません。そんな時には、ヘッドライトがベストです。
現地で電池が切れて、使い物にならないケースもよくあります。電池が切れていないか、釣りに出発する前に必ず確認することをお勧めします。
三陸のアナゴはデカい!
地元ではアナゴのことを「ハモ」とも呼びます。京料理で使われる「鱧(ハモ)」とは別物で、アナゴの仲間の「マアナゴ」です。
マアナゴとともに釣れることがあるのが、「クロアナゴ」です。マアナゴよりは大きいのですが、味が落ちるといわれているため釣り人からは喜ばれません。
マアナゴとの見分け方ですが、まずはその名の通り色が黒っぽいです。そして、頭がマアナゴよりコンモリしています。見分け方としての一番の違いは、マアナゴには側線上と、側線と背びれの2か所に白い点線模様が見られます。反対に黒アナゴには、側線上の白点線は薄く、側線と背びれの間の点線は見られません。
ロッドもリールもカレイ釣りの流用でOK!
アナゴ釣り専用のロッドは、あまり聞いたことがありません。
そもそもアナゴ釣りをする人が多くないのもありますが、特段これでなければというスペックもありません。
正直ある程度の重さに耐えられれば、何でも構いません。
三陸で使うロッドで流用を考えれば、カレイ竿が最適です。後述する誘い方にも、カレイ竿が使いやすいです。
リールもカレイ釣り流用で。
水深も50m前後なので、ラインは150程巻けるベイトリールがお勧めです。PEラインはアナゴが絡んでくることも想定し、1.5号か2号くらいの太さです。
両天秤の仕掛けで、ハリスは短かく!
アナゴ釣りで有名な東京湾などでは、釣り鐘オモリに1,2本の針を付ける仕掛けを使います。
反対に三陸で使われる仕掛けは、「両天秤」がメインです。30~40㎝の両天秤に、10~20㎝の針を付けます。
オモリは30~50号で、針は一般のアナゴ針です。
アナゴは針がかかると強烈に暴れます。その強さはハリスが体に巻き付き、ボンレスハム状態になることもあります。
そのためにハリスを短くし、取り絡みつくのを防止します。また、ハリスにパイプを付けるのも得策です。
エサは持ちのいい、イカの切り身
エサとなるのは、イソメ、サバやサンマなど魚の切り身、イカの切り身などです。
中でも私がよく使うのは、イカの切り身です。
その理由はよく釣れるエサでありながら、エサ持ちがいいという点です。他の餌では一度釣るとボロボロになってしまいます。その点、イカでは何回か釣るまで使えます。
もし以下で悔いが悪い時は、サバの切り身などを使います。私は他の釣りで釣れたもので冷凍庫に眠っていたら、エサとして持っていきます。わざわざ買ってまで準備しません。
↓エサの保存にもクーラーボックスには氷の準備を!
小突きで誘い、待ちで食わせます
アナゴの誘いは、カレイ釣りの誘いに似ています。
仕掛けが着底したら糸ふけを取り、軽く小突きます。その場にいるとすぐに掛かることがあるので、着底直後はアタリに集中します。
海底をトントンと叩き、音や立ち上がる砂煙、エサの匂いで誘います。活性がいいと小突いている最中にも食いついてきます。
それでも食いつかない場合は小突きを止め、エサに食い付く時間を与えます。アナゴの捕食は、「居食い」と呼ばれる食事のとり方です。底に落ちてきた動物の死骸も食べるので、チビチビとした食べ方です。そのため、誘い方も食べる時間を与えるのも誘いの一つです。
手返しの速さは、釣ってからの格闘で決まる!
アナゴ釣りで大事のなのは、釣る前より釣ってからの対応です。
なんだかんだ言って「数釣り」であるアナゴ釣りでは、釣果がゼロということは稀です。数を増やそうとすると、少しでも仕掛けを投入している時間を増やすことが大前提です。そのために釣ってからいかに早く仕掛けを投入するかに釣果がかかってきます。
まず準備段階で先に述べたとおり、ハリスを短くセットします。釣ってから仕掛けとアナゴが絡まることを防止します。
次に手早く針をアナゴから外します。針が口などに掛かり、見えている状態であれば「フック型」の針外しを使います。アナゴの重さで瞬時に外します。針を飲み込んでいる場合には、「オエオエ坊」やペンチ状の針外しを使います。時間がかかるようであれば、思い切ってハリスを切ってしまいます。
↓針外しの参考に。
最後に締めて血抜きをします。アナゴの締めは、活きがいい状態で持ち帰るより、動きを早く止めることを重視します。そのために脊髄を断ち切ります。首の後ろから切り込み、骨を断ちます。
それで血抜きも同時にできます。さらに血抜きをしたいのであれば、エラにはさみを入れて断ち切ります。
これまでの行程を船上でグルグル、グネグネ、ヌルヌルと暴れまわるアナゴと格闘します。アナゴは見た目以上に力が強いので、しかっりとしたフィッシュグリップを使いましょう。
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